2013.07.23 Tuesday 07:43
ピストン離脱
さてさてエンジンの核心部に迫ってまいりました。
本日のメインは、ピストンの離脱ですが、その前にオイルパン等を外さなければなりません。
しかも師匠曰く、クランクの下に2次バランサーなるものがあるらしく、その合わせ面をマーキングする必要があるそうなのです。
その合わせ面を見る場所は、前回外したエンジン前のプーリーの下の窓の中にあるらしいのです。
という訳で開けてみました。
長年のオイルのカーボンで真っ黒です。
這いつくばって見たもののまったく判りません。
マークも見えないしオイルパンも外すので、エンジンをこのまま立てることにします。
オイルがこぼれても良いように下にバケットを曳いてチェーンブロックで釣り上げます。
変な掛け方をして釣り上げてしまいましたが、結果往来でした・・・・が・・・・・
バケットが小さくて入りません。
仕方ないのでシートを曳いて降ろしました。
こんな感じでエンジンを眺める事は少ないでしょうね。
で、早速オイルパンを外してみました。
オイルパンには特に付属品もなくネジを外せばすんなり取れます。
泥状になったオイルとカーボンがびっしりです。
さてここからが問題なのですが、2次バランサーがクランクケースカバー内に潜んでおります。
その上オイルポンプとストレーナーもあるので慎重に進めなければなりません。
故に、ここで必ずマーキングを確認しておく必要があるのです。
ちなみに2次バランサーは、クランク軸からギヤーを1つ介して右のバランサー・左のバランサーへ連動されています。
前から見てクランクは時計回りに回るので少しづつまわして1番の上死点でのギヤーの位置を確認します。
そこでバランサーギヤに付着しているカーボンをスクレーパーで削ってみました。
すると何やら刻印が出てきました。
左右バランサーの軸ピンが上に来ます。
さらに右バランサーと左バランサーの合わさる部分に「x : x・x」。
そして左バランサーの左端とクランクカバーの刻印が一致する位置がマーキングポイントです。
これをメモっておけばクランクカバーは外せます。
クランクケースと外してコンロッドボルトを外せばピストンは上に抜けてきます。
とりあえずクランクの状態からアップしましょう。
綺麗なものです。
もっとよって見ても判るでしょうか?
細かな筋があるのですが、これは回転部分である以上必ずつくものです。
ですが、かじりやメッキの剥がれもなく、このままの状態で十分使えます。
問題はピストンです。
ブロバイガスが「シュ〜ッ」と音が聞こえるくらい出てましたし、白煙もモクモクでしたのでリングの折れか固着がるでしょう!
と思って抜いてみると・・・・・・
どのピストンにもリングの折れや固着はありませんでした。
1番のピストンです。
2番です。
3番です。
4番です。
結果としまして、ヘッドの確認はしていないのですが、ピストン周りで考察しますとはリングのヘタレが原因だったのでしょうか?
だが・・・・それだけではないのです。・・・・・
でもまぁ〜リング付近にはカーボンがべったりついておりましたので圧縮漏れは十分に考えられます。
他のも同じような感じです。
トップリングから上はカーボンがあってもあたりまえなのですが、1番リングと2番リングの間。
2番リングとオイルリングの間にもべったりです。
しかもこのオイルリング・・・・・おかしい・・・・・
師匠! このオイルリングは正解でしょうか?
ひょっとしたら白煙の原因はこれか???
ちなみにこのエンジンは、20年ほど前に焼き付いて修理した経歴があります。
その時に間違うなくピストンは組み替えられているはずです。
それからは現在までオーバーホール歴はないので、そのときの業者が組んだものです。
エンジンをいじった事のある方は一目で解るでしょうが・・・・・
僕の経験上、オイルリングの組み方が間違っています。
ここで少し豆知識・・・・
通常オイルリングの多くは、3枚構成になっています。
このエンジンも同様です。
1枚目と3枚目が薄い板状のリングで、間に波状やらせん状の2番リングが入ります。
1番目のオイルリングの多くは、排気ポートから30度くらいずらした位置に割れ部分を置きます。
2番オイルリング・3番オイルリングはそれぞれ1番オイルリングから120度づつずらした位置に割れ部分を組み付けます。
大まかにこれくらいの位置にずらして組めば少々のずれは問題ありません。
それを踏まえてこのエンジンに組まれていたオイルリングを見てみましょう。
どのピストンも同じように組まれていますが、1番オイルリングと3番オイルリングの割れ部分が同じ位置にあります。
しかもこの位置で組み込まれていた証拠に、割れ部分のところにしっかりカーボンがくっついて丁寧に固定されているではありませんか。
これじゃ〜オイルリングの役目を果たしません。
そりゃ〜調子も悪くて当然です。
しかもピストン4本とも同じような組み方でした。
イスズのエンジンの組み方はこうなっているのでしょうか?
いや・・・・そんなはずないでしょう・・・・・
結果としまして、ヘッド関係は今のところ無視するとして・・・・
胴体部分で考えると、オイルリングが正常に組まれておらず、その状態で長年使用しているうちに燃焼室にオイルが上がってくるようになり高温使用になってきて、さらにその状態で使っていてタービンも半ばブロー状態になってさらに高温使用状態が助長されたのではないでしょうか?
と、こんな風に推測するのですが、いかがなものでしょうか?
幸いにも前持ち主のオジィーは、エンジンをぶん回すようなことがなかったのでこれ以上ひどくならなかったのでしょう。
で、ついでにメタルも見ておきます。
コンロッドのメタルは、こんな感じです。
何やら斑点があります。
症状の一番ひどいところを取り外してみてみましょう。
内側ですが、右が上側(コンロッド側)で左が下側(受け)です。
裏側はこんな状態です。
異物が噛んでいたらカジリになるのですが、そんな感じではないようです。
経年でこうなるのでしょうか?
でもメッキも剥がれて赤い部分が出ているので交換必須です。
ちなみにクランクのメタルはこれほど酷くはありませんが、交換が必要なくらいの劣化状態でした。
さ〜次は胴体部分の一番気を使うところのライナーです。
先日、師匠と電話で話した時に交換するかしないかの判定で観察項目をいくつか挙げてもらったのですが、メタル同様少しメッキの剥げている部分がありました。
ですので交換必要かな?と思うのですが、ライナーを抜いて入れるための工具を作る必要があるのです。
さ〜どうやって抜こうか? はたまたどんな工具にすればいいのやら・・・・・
一応、使用からアドバイスは頂いているのでしばらくフリーズして考えます。
本日のメインは、ピストンの離脱ですが、その前にオイルパン等を外さなければなりません。
しかも師匠曰く、クランクの下に2次バランサーなるものがあるらしく、その合わせ面をマーキングする必要があるそうなのです。
その合わせ面を見る場所は、前回外したエンジン前のプーリーの下の窓の中にあるらしいのです。
という訳で開けてみました。
長年のオイルのカーボンで真っ黒です。
這いつくばって見たもののまったく判りません。
マークも見えないしオイルパンも外すので、エンジンをこのまま立てることにします。
オイルがこぼれても良いように下にバケットを曳いてチェーンブロックで釣り上げます。
変な掛け方をして釣り上げてしまいましたが、結果往来でした・・・・が・・・・・
バケットが小さくて入りません。
仕方ないのでシートを曳いて降ろしました。
こんな感じでエンジンを眺める事は少ないでしょうね。
で、早速オイルパンを外してみました。
オイルパンには特に付属品もなくネジを外せばすんなり取れます。
泥状になったオイルとカーボンがびっしりです。
さてここからが問題なのですが、2次バランサーがクランクケースカバー内に潜んでおります。
その上オイルポンプとストレーナーもあるので慎重に進めなければなりません。
故に、ここで必ずマーキングを確認しておく必要があるのです。
ちなみに2次バランサーは、クランク軸からギヤーを1つ介して右のバランサー・左のバランサーへ連動されています。
前から見てクランクは時計回りに回るので少しづつまわして1番の上死点でのギヤーの位置を確認します。
そこでバランサーギヤに付着しているカーボンをスクレーパーで削ってみました。
すると何やら刻印が出てきました。
左右バランサーの軸ピンが上に来ます。
さらに右バランサーと左バランサーの合わさる部分に「x : x・x」。
そして左バランサーの左端とクランクカバーの刻印が一致する位置がマーキングポイントです。
これをメモっておけばクランクカバーは外せます。
クランクケースと外してコンロッドボルトを外せばピストンは上に抜けてきます。
とりあえずクランクの状態からアップしましょう。
綺麗なものです。
もっとよって見ても判るでしょうか?
細かな筋があるのですが、これは回転部分である以上必ずつくものです。
ですが、かじりやメッキの剥がれもなく、このままの状態で十分使えます。
問題はピストンです。
ブロバイガスが「シュ〜ッ」と音が聞こえるくらい出てましたし、白煙もモクモクでしたのでリングの折れか固着がるでしょう!
と思って抜いてみると・・・・・・
どのピストンにもリングの折れや固着はありませんでした。
1番のピストンです。
2番です。
3番です。
4番です。
結果としまして、ヘッドの確認はしていないのですが、ピストン周りで考察しますとはリングのヘタレが原因だったのでしょうか?
だが・・・・それだけではないのです。・・・・・
でもまぁ〜リング付近にはカーボンがべったりついておりましたので圧縮漏れは十分に考えられます。
他のも同じような感じです。
トップリングから上はカーボンがあってもあたりまえなのですが、1番リングと2番リングの間。
2番リングとオイルリングの間にもべったりです。
しかもこのオイルリング・・・・・おかしい・・・・・
師匠! このオイルリングは正解でしょうか?
ひょっとしたら白煙の原因はこれか???
ちなみにこのエンジンは、20年ほど前に焼き付いて修理した経歴があります。
その時に間違うなくピストンは組み替えられているはずです。
それからは現在までオーバーホール歴はないので、そのときの業者が組んだものです。
エンジンをいじった事のある方は一目で解るでしょうが・・・・・
僕の経験上、オイルリングの組み方が間違っています。
ここで少し豆知識・・・・
通常オイルリングの多くは、3枚構成になっています。
このエンジンも同様です。
1枚目と3枚目が薄い板状のリングで、間に波状やらせん状の2番リングが入ります。
1番目のオイルリングの多くは、排気ポートから30度くらいずらした位置に割れ部分を置きます。
2番オイルリング・3番オイルリングはそれぞれ1番オイルリングから120度づつずらした位置に割れ部分を組み付けます。
大まかにこれくらいの位置にずらして組めば少々のずれは問題ありません。
それを踏まえてこのエンジンに組まれていたオイルリングを見てみましょう。
どのピストンも同じように組まれていますが、1番オイルリングと3番オイルリングの割れ部分が同じ位置にあります。
しかもこの位置で組み込まれていた証拠に、割れ部分のところにしっかりカーボンがくっついて丁寧に固定されているではありませんか。
これじゃ〜オイルリングの役目を果たしません。
そりゃ〜調子も悪くて当然です。
しかもピストン4本とも同じような組み方でした。
イスズのエンジンの組み方はこうなっているのでしょうか?
いや・・・・そんなはずないでしょう・・・・・
結果としまして、ヘッド関係は今のところ無視するとして・・・・
胴体部分で考えると、オイルリングが正常に組まれておらず、その状態で長年使用しているうちに燃焼室にオイルが上がってくるようになり高温使用になってきて、さらにその状態で使っていてタービンも半ばブロー状態になってさらに高温使用状態が助長されたのではないでしょうか?
と、こんな風に推測するのですが、いかがなものでしょうか?
幸いにも前持ち主のオジィーは、エンジンをぶん回すようなことがなかったのでこれ以上ひどくならなかったのでしょう。
で、ついでにメタルも見ておきます。
コンロッドのメタルは、こんな感じです。
何やら斑点があります。
症状の一番ひどいところを取り外してみてみましょう。
内側ですが、右が上側(コンロッド側)で左が下側(受け)です。
裏側はこんな状態です。
異物が噛んでいたらカジリになるのですが、そんな感じではないようです。
経年でこうなるのでしょうか?
でもメッキも剥がれて赤い部分が出ているので交換必須です。
ちなみにクランクのメタルはこれほど酷くはありませんが、交換が必要なくらいの劣化状態でした。
さ〜次は胴体部分の一番気を使うところのライナーです。
先日、師匠と電話で話した時に交換するかしないかの判定で観察項目をいくつか挙げてもらったのですが、メタル同様少しメッキの剥げている部分がありました。
ですので交換必要かな?と思うのですが、ライナーを抜いて入れるための工具を作る必要があるのです。
さ〜どうやって抜こうか? はたまたどんな工具にすればいいのやら・・・・・
一応、使用からアドバイスは頂いているのでしばらくフリーズして考えます。