先日、近所の方のバイトを修理しました。
ホンダの4スト50ccで、玉数の少ないお洒落なスクーターです。
が・・・・長らく動かしてなかったと言うことで気合を入れて修理開始です。
先ず、乗らなくなった一番の原因は、ここにあるはずの冷却水リザーブタンクが朽ちて何処かに行ってしまったって言うのが発端のようです。
上にタンクを止めるボルトだけが悲しくぶら下がっております。
で、カバー類とタンクをばらしたところで、あら!ビックリ!!
燃料タンクの片隅に蜂の巣が・・・・・
しっかり巣立ってモヌケノ殻になってましたが、放置していたのが判る写真ですね〜〜(汗)
で、エンジンが掛からないもっとも多い原因の一つがキャブですので、キャブを取り外します。
インシュレーター部分にアルミの腐食粉がたっぷりです。
でもよく見ると中には入っていないので特に問題なさそうです。
もしこの腐食粉が中に入っているようでしたら水が進入している可能性が高いってことになりまして、結果2次エアを吸ってるかもわからないのでインシュレーターも交換する方が無難な場合があります。
キャブの下部(チャンバー)をばらしてみると、比較的きれいで、スロージェットのみがちょっと詰まってました。
スロージェットをキリ通しして洗浄、次にキャブ上部のダイヤフラムです。(これは写真撮ってました。)
ちょっと硬化気味ですが、高価なので破れていなければ洗浄して組み上げます。(笑えよ〜〜)
ダイヤフラムは、組み上げて指で軽く持ち上げると少しゆっくり下降します。
この状態なら使用可能です。もしシュコッっと素早くバネの力で落ちてくるようでしたら交換です。
次にマフラーです。
よく錆びてたのでワイヤーブラシでゴシゴシしてみると・・・・・
なんだか嫌〜な予感が的中です。
ピンホール程度ですが穴が開いてました。
それと凹み・・・・・何処かに乗り上げたのでしょうか?・・・・・
何処走ってたんだか(^_^;)
マフラーパテで穴埋めします。
腐食部分を隠すようにクソ盛り、モリモリ!
後は軽く整形してお化粧したら完了です。
で、この時点でこんな感じですね。
はい!ここで気づいた人いますか〜?
はぃはぃ・・・キックスターターが戻ってませんね〜
これも経年でよくある症状ですね。
ベルトカバーを開けてみるとこんな感じです。
ベルトのカスが満載です。
原因はこのカス等が原因でドライバー指しているピニオンギヤがグリス切れになっているだけでーす。
掃除して飛び散らない程度に堅めのグリスを薄っすらぬって組み上げれば完成です。
さてお次は・・・・・
ブレーキです。
ネジは結構回ってるので使用限界にきてるくらいでしょうか・・・・・
でもフリーの状態でこんなところに隙間がありました。
はい! 固着決定!!
とりあえずタイヤを外して・・・・・
はぃはぃ、ドラムブレーキの固着原因はここですね。
以前農機具の修理でも書きましたが、この指先の斜めになってるところが本来は、まっすぐでないとダメなんですね。
シューを外しても動く気配なしです。
このピンを抜くと・・・
こんな感じです。
僕の顔はギトギトですが、抜いたパーツには油っ気が全くなし。
この白っぽくなってるとこが錆で固着の原因です。
これを綺麗に掃除して、これまた堅めの耐熱グリスを塗ってあげればOK。
このパーツが入る部分も・・・・・
こんな感じでゴミがついているので、
ヤスリでシャッシャーっと軽くお掃除。
で、新しいブレーキシューをつけます。
一見、シューが残ってるように見えますが、よく見ると、
これだけ違うます。
パシッとはめ込んで、
ホイール側も錆とゴミで汚れています。
このままの状態では、新しいブレーキシューの当たりが出ないので、
ペーパーでシャカシャカして綺麗にします。
これくらいになれば十分でしょう。
次に前輪・・・・・
これはほぼ後輪と同じです。
はぃ、外したとこ
はぃ、錆等で汚れたホイール側のドラム。
はぃ、掃除して綺麗になったドラム。
前輪は、固着もなかったので念のためにグリスアップして新しいシューをはめて組み上げました。
これでほぼ気になるところは修理完了です。
最後に乗らなくなった原因のラジエターリザーブタンクをつけて、冷却水の補充です。
このスクーターのエンジンや足回りは、ズーマーとほぼ共通の部品なのでこのタンクも含め、ほとんどズーマー用となっているのをヤフオクで買いそろえました。
さて! 修理も完了したところでエンジンスタート!!!
と思ったら・・・・あれれれれ・・・・???
セルすら回らない・・・・・
あれれれれ・・・・???
左(リア)のブレーキを握ってたのを右(フロント)のブレーキに握り替えてスターターを押すと、キュルキュルキュル〜(お腹の不具合じゃないですよ)
すんなりセルも回ってエンジンが快調に回り出しました。
ってことで原因はリアブレーキのスイッチですね・・・・・
この小さいのが悪さをしています。
レバー本体から引っこ抜くと、こんな感じです。
本来なら非分解のブレーキスイッチですが、分解して接触不良を解消します。
この両方の電極版と真ん中の棒の筒状電極が通電するのですが、ここが錆や汚れで接触不良を起こしています。
この電極を接点復活剤などで綺麗にして組み上げれば完了です。
長々と一気にアップしましたが、これにて一先ず修理完了で納車です。
ちゃんちゃん!