お久しぶりの投稿です。
昨年末に会社のOBの先輩から船を譲り受けまして、直してたのですが、、、
今回は、船修理にあるあるのお話!
サビや電触でネジがポキポキ
エンジンは、ヤマハMD625KUH
症状は、水温計が上がらない。
メーターは、短絡すれば振れるので生きてます。
センサーは、常温で1kΩ、 100℃くらいで70Ωなのでこれも生きてるはず。
で、サーモスタットの不良って事で外してみると、少し隙間が空いてました。
あ! その前に、私の師匠とも言うべき黄昏のマリンエンジニアさんに色々と相談にのっていただきまして修理を進めております。
黄昏さん、ありがとうございます。
と、ここまではサーモスタットの交換で終わるお話だったのですが、小さな親切、大きなお世話をやっちまいました。
ヒートエクスチェンジャーの蓋を開けて中のお掃除をしようとネジを外すと、、、
ここでポッキリいってしまいました。
まー船のエンジンなのでよくあるな話なのですが
真ん中と手前の蓋のネジが折れました。
1日かけてバーナーで炙って油を垂らして、、、を何度も繰り返したのですが外れる気配がありません。
で、中にはこの通りヘドロが、、、
これじゃー拉致が開かないし、道具も入らない、機械場が狭いって事で、ヒートエクスチェンジャーを
持って帰ることにしました。
タービンのネジが折れてもややこしいのでタービンごと持って帰ってきました。
ここからが今回の本番です!!!
私流のネジの取り方
せっかく持って帰って来たのだから、ネジを全部外そうと片っ端から回すと、何と!!!!!
全部でネジが9本折れました😅
先ずは、折れたネジ頭を削って平にします。
ちなみにここは、蜂の巣の入り口の部分です。
このネジは、M8-1.25です。
平にしたら、出来るだけ真ん中に小さな穴を開けます。
3mmの穴を開けます。
次にもう少し大きめの穴を開けるのですが、ここで注意するのが、、、
当たり前のことなのですが、その穴を開けた時にネジ山を削らないくらいの穴を開けると言うことです。
ここから慎重に作業していきます。
5.5mmにしました。
次に、、、
リューターで穴を広げていきます。
ここからはさらに慎重に!
6mmの超硬刃で形は球型の物を使います。
ネジ山が出てこないように(ネジ山を傷つかないように)ドンドン掘っていって底が抜けるまで掘り進めます。
とりあえず掘った穴がこんな感じです。
そして、その穴をネジ山が見えるまで広げます。
まだ削りが甘いところもありますが、薄っすら螺旋が見えのが分かるでしょうか?
で、、、ここで、ネジの入り口から三回転くらいはしっかり削っておきます。
そうすると!
螺旋が外れるので、ネジ山を傷つかないように外せるところまで外します。
ここまでくれば勝ったも同然!
あとはタップを立てれば完了です。
ちなみに、タップを立てる時にグイグイやり過ぎてタップが折れるとからまた大変なので気をつけて、、、
これで既存のネジ山が復活です。
ヘリサートやエンザートを入れる方法もありますが、これは熱交換器でクーラント
と海水が触れているし、このエンジンはアノードがないことから、電蝕すると怖いので、出来るだけ既存のネジ山を使いたかった訳でございます。
ちゃんとこのネジがスルスル入ってガタ付きもありません
作業時間は、早い人だと1本あたり1時間もかからないのでしょうが、私の場合は慣れてきても1本2時間ちょいってところ